大学に進学するために、お金が足りず奨学金を借りて入学。
4年で卒業し、社会人となって奨学金を完済する。
このようなパターンの人は少なくないでしょう。
実際、今や大学率は50%を超え、進学を望む人は(志望校さえ選ばなければ)誰でも入学できる時代です。そして奨学金を利用しての進学も50%を超えているという実態があります。
奨学金自体は否定しませんし、進学の機会を失わないためには必要なものであることは理解しています。
だからこそ、一部の人たちの悪い例を紹介して警鐘を鳴らしたいことがあります。
①奨学金は学生本人の借金である
これをわざわざ今さら言わなくても…と思う方が多いと思います。
ですが、日々学生さんと接していると、どうも分かっていない人が少なくないのです。
新入生なら、まだ分かります(本当は家庭内で教えたうえで入学してほしいが)。
でも上級生になってもなお、手続き関連の様々な締切に遅れる人が多いのです。
そして、学業不振により奨学金が止められたり、廃止されたりすることも。
言い訳は決まって『親が全部やってるので分かりません』や『そこまで重要と思ってなかったです』もしくは『授業が分からずに(単位を)捨てました』とか…。
分かってますか?あなたの奨学金(借金)であり、大学の学費を賄っているお金なのですよ?
もしかしたら、家庭の事情で金銭的なお話はしにくいのかもしれません。
ただ、自分の奨学金が止められてしまったら、授業料を捻出できるのかどうかは理解しておいてほしいのです。手続きの不備で奨学金が止まって、学費が払えず退学となってしまうパターンはもう見たくありません…。
だからこそ、奨学金の各種手続きのスケジュールと単位修得の重要性を家庭で共有しておいてください。
②奨学金が止まってしまった後を想定しておくべきである
先ほど少し記載しましたが、学業不振でも当然奨学金は止まります。
止まった後が問題です。様々な奨学金があるので一概には言えませんが、半年間はお金が入ってこない状態で過ごすことになるでしょう。その半年の間に学費などを学業と両立して稼ぐ必要が出てきます(実家が学費を負担しているなら親御さんが)。
単位を必要数取れて、無事に奨学金が復活出来たら良いのですが、取れなかったら…。
奨学金が廃止となり、もう借りられなくなった場合、家計的にどうなるのか。
学費を支払えるのか。どのくらいアルバイトする必要が出てきてしまうのか。
最低限このくらいは想定しておけば、間違っても一切勉強しないということは無いでしょうし、手続きもしっかり行えるでしょう。
奨学金そのものの説明は、このサイトがとても分かりやすかったので転記しておきます。
③奨学金を借りたうえで入学するなら、就活は手を抜かないでほしい
奨学金を借りてまで大学に入学して勉強するというのは立派なことだと思います。
ただ、実態は『大卒でないと就活に響く』とか『特にやりたいことが見つからないから大学へとりあえず行っておく』という方が近いでしょう。
偉そうに書いてますが、私自身もそうでした。
大学に進学し、楽しい日々を過ごした後の就活時に自分のやりたいことが見つからない場合、どうしても就活は苦しいものになります。
合同説明会や採用試験でスケジュールが埋まっていき、授業・就活・アルバイトで遊びの時間もない。そのくせ、届くのはお祈りメール(不採用通知)ばかり。
エントリーシートや履歴書をたくさん書き、疲弊していく毎日。
そんな中、ポッと内定を得ると『あ、もうここで良いや』と妥協してしまう。
こんな流れ、見たことないですか?
ここで言いたいのは、特定の業種がNGというわけではなく、就活を妥協して終わらせてしまうってのがポイントです。
あくまで私の考え方なので、完全に正しいとは思いませんが、
4年制大学や短大などを卒業して、就職した先が妥協した企業ってコスパ的にどうなのかと思ってしまいます。
ウン百万も学費に費やして、その結果が妥協で決めた企業での新生活。
それは借金を抱えてまで得る価値のある結果だったのか。
そんな妥協で良いなら、高卒から働いて社会人スキルを磨いた方が、良かったのではないか。
その辺を意識するだけで就活への取り組みは段違いに変わると思います。
第一志望が届かずとも、せめて自分のしたい方向性は同じでないと働くことが苦痛になるでしょう。
大学生活の価値が卒業後の進路で100%決まるとは言いません。
ゼミ、クラブやサークル、アルバイトなどの経験もとても輝かしいものです。
ただ、それが120%充実していてもブラック企業に入ったり、自分に合わない企業に入った後でも、大学生活が完璧に良かったと言えるでしょうか。
たぶん『もう少し就活を真剣にしたら良かった』となると思います。
未来の方向性を決めるのは今なのです。どうか少しで良いから真剣に考えてみましょう。